洗練された有料老人ホーム
複数の異常を指摘された人もむろん含まれていた。
では、検査結果は、どれが正常で、どの数値が異常と判断できるのか。
じっは、これは簡単なことではない。
人間の身長を考えてもいただきたい。
何センチメートルから何センチメートルまでが正常だなんて、だれが決定できるというのだろうか。
小児の身長を判定する場合、同じ年代の小児を計測し、平均値土標準偏差の二倍を標準とする。
これは、同年代の小児の九五パーセントが属する身長である。
つまり、同年代の小児の九五パーセントが属する身長を、便宜的に健康であると取り決めているに過ぎない。
身長などは、年代とともに変動するからだ。
検査結果値もすべて身長と同じように考えるというわけではない。
が、検査値についても、あまりにも個人差は大きい。
そこで、検査結果についても、多くの健康人を検査して求めた結果値の平均値土標準偏差の二倍、つまり健康人の九五パーセントが属する値を健康な検査値としている。
これを基準値とい検査の結果だって、個性にあふれかえっている。
血糖値一つだけをとってみても、千差万別たしかに、基準値を超えた場合、病的と判断すべきことが多い。
しかし、ここで考えていただきたい。
健康人の五パーセントはもともと基準値を超えているのだ。
その人たちが病的と判定されれば、それは災難としかいいようがない。
人間ドックを受けた人のうちで、およそ二割もの人たちに肝機能異常があると指摘されていこれらのなかには、慢性肝炎や、肝硬変などといった肝臓の病気にかかっている人もいるはずだ。
だが、きっと、五パーセントの可哀想な被害者も含まれているのではなかろうか。
たとえば、肝臓の検査として重要なものに、GPT(最近ではATということの方が多くなっている)という検査項目がある。
という結果が出れば、人間ドックの判定としては自動的に「肝臓に異常あり」。
こう考えれば、人間ドックを受けて何かしらの異常ありと判定された八割の人たちの中には、まったく健康な人が含まれているに違いない。
人間ドックは、異常を見落とさないことを最優先にしている。
さもなくば、人間ドックの存在もなってしまう。
四七単位と出た位と出た人のどれだけが真に肝臓に異常があるのだろうか?疑問に思う。
く、アルコールを飲み過ぎたり、いくぶん太り過ぎたりしてGPTが多少なりとも高くことの方が多いのではないか。
こうしたことに思い当たることすらない人だってある。
自分なりの検査基準値を知ることが大切。
では、GPTが四七単位という検査結果が真に異常値なのか、それとも健康なのにたまたま高めに出ただけなのか、どうすれば、区別できるのだろうか。
検査の基準値というのは、すでに説明したように、多くの人を対象として検査して得られた結果から算出している。
つまり、集団として見た場合の標準的な数値を基準値としているわけだ。
じっは、ここに重大な問題が潜んでいる。
世の中には、必ずや大勢には与したくない人はいるそこで提案したいのが、あなた自身の検査基準値というものを知っておくことである。
集団から算出した基準値よりも、はるかに役立つ。
たとえ、集団としての基準値には入っていても、あなた個人で考えれば、異常のことだってあが危ぶまれることになりかねないからだ。
その結果、可哀想にも、健康なはずの人が異常の疑いありとして、精密検査を要求されたり、場合によっては病院で治療を受けるようすすめられたりする羽目になる。
つまり、人間ドックが健康人を病人に仕立て上げることだってあるわけだ。
十分に注意したものだ。
して、その基準値を超えた結果が出れば、すぐに医者に相談するとよいだろう。
たとえば、コレステロール値は、通常は年齢を重ねるとともに高くなる。
三年連続してどんどんと上昇するようなら、たとえ基準値であっても、十分に注意しておいたほうが無難だ。
動脈硬化の進展につながるおそれがあるからだ。
食事に気をつけ、場合によっては医者に相談しておきたい。
悪い検査結果が出たからといって、一喜一憂することはない。
本当に健康が損なわれているのかどうか、十分に見極めることが大切だ。
だから、自分なりの検査の基準値を知っておくことこそが重要だと思う。
では、どうしたら自分の基準値がわかるのか。
この目的には、人間ドックがとても役に立つ。
つまり、健康なときに健康診断や人間ドックをけておく。
その検査結果をきちんと保管さえしておけば、自分なりの基準値が自ずとわかると過ちはある。
その逆に、集団から求めた基準値を超えていても、あなたにとっては何の問題もないこともある。
血液の検査は、検査項目にそれぞれ応じた試薬を用い、検査機器を使って測定される。
試薬が新しく、機器もきちんと保守さえしておけば、正確な検査結果が期待できよう。
しか、機器の保守を怠ったり、期限切れの試薬が使われでもしようものなら、正しい数値は得られすでに述べたように、異常値と判定されても、まったく問題のないことだってありうる。
また、数値が出れば、それが唯一無二の結果と捉えがちだ。
が、検査にだって、うっかりしたある地方の人間ドックの検査で聞いた話だ。
検査を受けた人が軒並みに尿酸値が高かったそうだ。
通常は七唾/邸以下のところ、ほとんどの人が八唾/α以上だった。
尿酸が高くなるのは、動物性タンパクを食べ過ぎたり、ストレスや体質が関係する。
うんと高くなると、痛風にかかる。
足の親指の付け根がパンパンに赤く腫れ上がってしまい、風にあたっただけでも跳び上がるほど激烈に痛くなる病気だ。
その地方は、どちらかというと田園地帯で、さほど動物性タンパクばかり食べているとも思われない。
まして、痛風の患者が病院に押し掛けているという噂も聞かない。
不審に思った検査担当者が念のために調べなおしたところ、検査機器の調子が悪く、二唾/Iも上乗せされた結果が出ていたことが分かった。
十分も進んだ時計を思い浮かべていただきたい。
時計の針が進んでいることを知らない人がその時計をみれば、当然ながら針の指す時刻を信じこんでしまうだろう。
検査だって同じだ。
検査機器が狂っていることを知らなければ、出てきた結果をついつい信用してしまうだろう。
もちろん、こんなミスなどのないように、注意はしっかりと払われてはいる。
しかしながら、いつ何どき、とんでもないミスがあるかもしれない。
検査結果に納得ができないような疑問を持った場合、自覚症状や他の検査結果を参考にして、総合的に判断することがとても大切だ。
一つの検査項目だけで一喜一憂して心配しすぎることのないようにしたい。
そうはいっても、健診か人間ドックを受けたい。
そう思う人も多いだろう。
著者も、健診なり人間ドックの存在をまつこうから否定するつもりはけっしてない。
要は、健診や人間ドックの特性をよく知り、限界を知ったうえで利用することだと思う。
利用のしかたによっては、健診も人間ドックも健康を守るのにとても役立つ。
が、下手をすれば、検査で苦しんだわりには見落とされたり、過剰に診断されてよけいな心配だけをさせられる羽目にもなりかねない。
上手に健診や人間ドックを受けるには、落とし穴を知り、かつ有効例を知っておくことが第一だと思う。
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